読書録「なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか?」
なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか?--数千年に一度の経済と歴史の話
- 作者: 松村嘉浩
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2015/02/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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★★★★☆(Amazon風に5つ星評価で星4つ)
読書万歳!!
この本を読んで改めて、読書が如何に効率的に情報を得る事に向いているかを痛感しました。
なんてお手軽で、安くて、かつ自分の生き方に影響を与えてしまうかもしれない位
重要な情報を得れるメディアなのでしょう。
※巻末の参考文献一覧を見ればこの意味が分かると思います
タイトルの通り、この本は経済学の話がメインです。
経済学という、私の様な無学の一般人にはとてもとっつきにくい話題を、
「進撃の巨人」「鋼の錬金術師」「ブラックアイドピーズ」「セックスアンドザシティ」
というような、自分にとって親しみのある人気作品と結びつけて説明をしてくれるので、
非常に興味を持ちやすく、最後まで興味深く読む事ができました。
Amazonの内容紹介↓
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資本主義の変わり目に、割を食ってしまう世代のために
なぜ、今の若者はかつてない“大きな不安"を抱えているのか?
なぜ、人口減少・少子高齢化が進んでいるのか?
なぜ、世界経済の混迷は続くのか?
なぜ、アベノミクスは間違っているのか?
それでもなぜ、日本人が世界の希望になるのか?
ゴールドマン・サックス、ドイツ証券などで長年活躍してきたトレーダーが、
『進撃の巨人』『鋼の錬金術師』といったコミックスやアニメ、そして数々の名著を題材とし、
マクロ経済理論、世界システム論までを駆使して「小説形式」で示す
〝新しい時代〟の総合分析。
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この本の中でとても印象的なグラフが2つ掲載されていました。
1つ目は「世界の人口の歴史的推移」
2つ目は「世界の実質GDPの歴史的推移」
これと同じ様なグラフがないかな?と探してみたのが下の2つです。
「世界の人口の歴史的推移」
「世界の実質GDPの歴史的推移」
このグラフを見れば、ここ100年位の人類の発展が異常なのは明白です。
そして、このグラフが自分たちの親や祖父母の時代と同じように、これからも
右上に真っすぐ伸び続けるという様に考える若い人は、まぁいないでしょう。
明らかに破綻する事が分かっている、経済成長をし続ける事を前提とした社会モデル。
そして、一向に示されることのないその代替案。
この本ではそんな漠然とした不安に対して、その不安の元凶と、経済成長を前提としない
「定常型経済」という仕組みについて解説されています。
※定常型経済については解説が凄く少ないので★4つにしました
私、個人としては日々の仕事に全力で取り組んで、自分の周りの大切な人たちの幸せを
守れるくらいの経済力を持てる人間でいたいと思っています。
ですが、社会全体の事を考えると、今の自分が行っている経済活動自体に疑問が生まれて
くるのもまた事実。そんなもやもやを少しだけ解消してくれる、とても面白い本でした。
著者の方はこれが初めての著書になるとの事ですが、次回作もぜひ読みたいと思いました。